推しは探すものではなく、出会ってしまうものだと確信した話

オタク人生のなかでいちばん迷走した2023年。

最終的に辿り着いた先は韓国の個人練習生だった。

練習生というのは、いわゆるデビューをしていない状態で、「個人」があたまにつくのは所属事務所がないということだ。事務所に所属していても、デビューできるかわかんなくて未来が見えずしんどいのに...

彼は一度デビュー経験があり、今、そのグループが継続していればベテラン(7年目?)だし、KPOP界には高校の同級生や先輩後輩たちが大活躍されている。芸能人以外の同級生たちははもう兵役を終えられてる方もいる年齢なので、その時期もそろそろ考える頃だろう。彼には全く落ち度がなかったようだけど、アイドル活動ができない時期も数年あったよう。昨年から事務所に所属していたっぽかったけど、経緯はわからないが最近退所して個人練習生になったぽい。

 

彼に課せられた現状は大変厳しく、未来は不透明だけど、わたしはめちゃくちゃしあわせなのだ。元々はどちらかというと心配性だしあれこれ考えるたちだけど、何周かまわって、彼がこの世に生をうけて、わたしも同じ時代に生をうけて、彼を知ることができたという奇跡だけでしあわせなのである。

 

さて、出会いに遡ると...

だいたい推しはビビっときて秒ですきになり、現場で生で見て確認して正式にファンになることが多かった。担当宣言まで1か月くらい...スピードは早い。しかし、彼をはじめてみてからすきかな?と思うまで4ヶ月、すきだと確信するまでさらに2ヶ月かかっている。

初見は「顔が強すぎるでしょ」という感想をいだいた。愛車は馬車です!みたいなお衣装を着ていたし、王子登場みたいなBGMをかけられていたから印象には強く残った。

同時に「わたし彼を知ってるんだけど!どこかで見たことがある気がする」と思った。前世の記憶かとも考えたけど冷静に考えてちがうだろう。決して一目惚れではなかった。

 

ともだちに「ろんちゃんの推しの共通項、おめめの距離感ソーシャルディスタンス」と言われているけど、目の距離感でわざわざ選んでいるわけではない。わたしが自覚している推しの共通項は、感受性の強さとやさしさ、そして時折みえる儚さだと思っている。現に、彼はものすごく人に対して愛があって、みていて苦しくなるほどやさしい。出演していたオーディションでも、いつも周囲に目を配っていた。苦しそうな子がいれば手を差し伸べ励まし...不条理なダメ出しをされていると「こういうふうに努力してた」と周囲に伝えたり...言いたいことがいえない子がいるのを察したら話しやすいようなきっかけをつくったり...まわりの子に嬉しいことが起きるとニコニコしてぴょんぴょん飛び跳ねてクルクルまわって喜んで、その後、めちゃくちゃ感動して泣く...まわりの子にとってつらいことが起きたときは、ぎゅうーっと抱きしめて本人以上に泣く...

うってかわって、じぶん自身のことに対して、ほめられてもダメ出しをいただいても淡々としていた。困惑しているふうの表情にみえてしまうときもある...そのときにたまらなく儚さを感じたのだ。立場や境遇的に素直に出せないでいるんだろうか考えたけど、答えはわからない。いつも、スン!としている感じだなと...

ファイナルでデビューメンバーに入れないとわかったとき、彼は下をむいてひたすら泣いた。仲間が背中をさすり、声をかけ、ティッシュを目の前においてくれても、そのすべてを気にとめることもなく、一心不乱に泣いた。それまでの感情をすべて放出して、ひたすら泣いているように見えた。わたしはその様子をみて、彼が自分自身に正面から向き合えたんだと感じて、なんだかとても嬉しかったし誇らしかった。客席に向かってお辞儀をしたあとに正面を向いた時..思いきり泣き顔だったけど...清々しい美しさと、やりきった人しか醸し出せないような、きらきらした輝きを放っていた彼をわたしは永遠に忘れない。


先日、ファンミーティングがあった。長年オタクをしているけど、あんなにあたたくてやさしい雰囲気の現場ははじめてだった。彼が時間をかけて丁寧に準備をしたであろうパフォーマンスは、どれもこれもとてもすてきすぎた。現場は中毒性があるから、いくらでもいきたくなるものだ。特に次いつ会えるかわからない界隈は尚更そうだ。でも、わたしは今回のペンミで一生分のしあわせと生きるエネルギーはもらえた気がしている。本当にしあわせな時間だった。

今後も機会があるなら、また彼のパフォーマンスをこの目で見たいと思っている。とはいえ、正直に言うと、いつアイドルを目指すことをやめる選択をしてもおかしくない...それはそれで彼の考えに考えた結果をしっかりがっちり受け止めていきたい。受け止めるのに時間がかかるとしても、のたうちまわるくらい苦しくても、ごはんが食べれないくらいへこんでも、状況をしっかり受け止めたうえで彼の新たな道でのしあわせを願うつもりでいる。

だけど、彼がこれからも夢を追い続けるのであれば、叶わない夢はないでしょ!!!夢はみるものじゃなくて叶えてなんぼや!!!くらいの心意気でいこうと思う。今のところ、アイドルをあきらめる予定はなさそうなので、彼の夢の行方を楽しみながら追っていくつもりだ。最後に、彼が仲間にいつもかけていた言葉を大きな声で叫びたい!


괜찮아!!!할수있지!!!